怔忡 せいちゅう
怔忡とは?
この記事のポイント
怔忡は、心悸の一つと捉えられることもあるが、病情は心悸よりも重いので、慎重に鑑別する必要がある。
怔忡の概要
怔忡とは、心臓が飛び出すのではないかというくらいの激しい動悸のことを言う。そのため、心跳ということもある。劉完素はその著書『素問玄機原病式』の中で、「心胸躁動、謂之怔忡」と記している。
心臓のその激しい動悸は、上は心胸、下は臍腹にまで達する。
これは、心血や心陰の虚損や、心陽の不足によって起きるものである。
怔忡と心悸の違い
心悸とほぼ同じようなものだが、怔忡の方が病情は重い。
心悸は一過性であるが、怔忡の多くは持続性である。
心悸には虚と実があるが、怔忡の多くは虚である。
心悸の多くは機能性の病であるが、怔忡の多くは器質性である。
怔忡は、心悸がさらに進んだ症状と考えられているので、その境は分りにくいところがある。そのため、怔忡は常に心悸と併記されることが多く、その治療には心悸の内容も参考にすることができる。
この記事を書いた人
瀬戸郁保
IKUYASU SETO
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。
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