『丁先生、漢方って、おもしろいです。』
漢方って何?という素朴な疑問から
著者の一人である南伸坊さんは、あるとき体を壊す。
今まで感じたことがない不調が出るようになり、それを解消するために漢方薬の先生のところを訪ねます。
最初は怪しげなものと思っていたところもあったようですが、懸案事項の体調が回復していくだけではなく、主治医の丁先生のお話もおもしろく、だんだんと漢方への興味が募っていく南伸坊さん。これだけ西洋医学が普通にあるのに、どうして漢方も存在するのだろうという、その不思議さもあいまってか、南伸坊さんは漢方の世界に魅了されていくのであります。
南伸坊さんは、解剖学の養老孟子先生や、免疫学の多田富雄先生との共著もあるのですが、どれもそのスタンスは素朴で素直な素人。ちょっとかじったことをひけらかすでもなく、出しゃばるわけでもなく、とにかく一つ一つ自身の疑問を尋ねていく。立ち止まるときは立ち止まるし、驚くときは驚く、講義を受ける立場がとても明瞭です。しかもこんなことを聴いては恥ずかしいなぁという思いもないので、読者と同じかそれよりももっと低い目線で疑問をぶつけていきます。
こういった南さんのスタンスによって、本書はとてもわかりやすくなっており、漢方って何だろうという最初に抱く興味をうまく解消してくれます。
詳しいレビューは以下のページに載せてありますので、本書にご興味のある方はご覧いただけたらと思います。
『丁先生、漢方って、面白いです。』
丁宗鐵・南伸坊共著
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この記事を書いた人

瀬戸郁保
IKUYASU SETO
鍼灸師・国際中医師
古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。