正治(せいち)・逆治(ぎゃくち)

治療方法/法則/治法治則用語 古典古医書抜粋解説 (C)東洋医学・鍼灸・漢方辞典dictionary oriental medicine
治法治則用語

正治・逆治とは?

 この記事のポイント

正治は病の本質と体が現わしている現象が一致するときに使う治療方法で、例えば熱のときはその逆の寒を使って治療をするので逆治ともいう。

正治・逆治の概念

どんなときに使う治法か?

 正治(せいち)とは、対象となる証候の性質とは逆の方向から治療することを言う。逆の方向から治療するため、正治は逆治(ぎゃくち)とも呼ばれる。“逆”というのは、すなわち、治療に採用する方薬の性質と、証候・疾病の性質が相反していることをいう。

 病の弁証をするなかで、病の性質として寒熱虚実が分別される。
 このときに、例えば寒の性質がある証候に対しては、その逆にある熱の方剤を処方する。これは、『黄帝内経』で述べている「熱者寒之」「寒者熱之」「虚則補之」「実則瀉之」を実践したものである。

 とても初歩的な治療方法であることから、よく使われる治療方法と言ってよい。

正治・逆治で注意すること?

 正治・逆治の治療方法を使うときに注意するべき点は、正治・逆治は、疾病の性質と疾病の症状とが一致しているときにのみ使えるということである。体が出している症状と病の本質を見誤らないことである。

 たとえば、寒邪によって体の不調が生じ、寒象(象とは体に現れている現象のこと)が現れている場合は、原因が明らかに寒邪なので、その逆である熱を加える方剤を使うことになる。虚の病のときに、虚象が現れているときは補の方剤を使うことになる。このようなとき、正治・逆治を使うことができる。

 たとえば、陰寒内盛(陰が体の内側で盛んになっているとき)のときは、陽が外に出ていくために熱象(熱の症状)が現れるが、このようなときは、病の本質は陰寒なので、体は熱象が出ていても、熱を用いて治療することになる。これを熱因熱用と呼ぶが、反治の部類に入る。

この記事を書いた人

源保堂鍼灸院・漢方薬店薬戸金堂 瀬戸郁保

瀬戸郁保
IKUYASU SETO

鍼灸師・国際中医師

古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。

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