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柏子仁 はくしにん

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柏子仁とは?

 この記事のポイント

柏子仁は安神薬に分類され、虚煩不眠、惊悸怔忡などの証に用いられる。また、種子であるため潤の性質を持ち、油が多いために腸燥便秘に用いられる。

柏子仁の出典

『神農本草経』

柏子仁の性味・帰経

  • 性味

  • 帰経
    心経
    腎経
    大腸経

柏子仁の分類

  • 安神薬 ← 柏子仁

柏子仁の効用

  • 養心安神
  • 潤腸通便

柏子仁の効能・作用

1.虚煩不眠、驚悸征忡などの証

 柏子仁と酸棗仁は類似性があり、ともに養心安神の効用をもっている。
 そこで、血不養心によって引き起こされる虚煩不眠、驚悸征忡などの証に用いられる。柏子仁は酸棗仁、五味子、茯苓などと一緒に用いられることが多い。例として養心湯。
 盗汗の症状がある場合は、人参、牡蛎、五味氏と一緒に用いられる。例として柏子仁丸。

2.腸燥便秘

 柏子仁は潤で油が多いため、潤腸通便の効果がある。
 そこで、陰虚血少の腸燥便秘に対して、他の種子の生薬と組成されて、その潤下の効果を強化することができる。例として五仁丸がある。

柏子仁の用量用法

10~18g

柏子仁の使用上の注意

 便溏および多痰のものには慎用である。

参考資料

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この記事を書いた人

源保堂鍼灸院・漢方薬店薬戸金堂 瀬戸郁保

瀬戸郁保
IKUYASU SETO

鍼灸師・登録販売者・国際中医師

古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。

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