三子養親湯 さんしようしんとう
三子養親湯とは?
この記事のポイント
三子養親湯は気実痰盛の証のための方剤である。中虚して運化作用が失われて痰壅気滞が発生し、さらに肺の粛降作用も落ちてしまったものに有効である。弁証をしっかりすることによって、三つの生薬の配合を変えると良い。
三子養親湯の出典
『韓氏医通』
三子養親湯の分類
- 祛痰剤
- 温化寒痰 ← 三子養親湯
三子養親湯の組成
- 白芥子 6g
- 紫蘇子 9g
- 莱菔子 9g
三子養親湯の効能
- 降気快膈
- 化痰消食
三子養親湯の主治
- 痰壅気滞
咳嗽喘逆、痰多胸痞、食少難消、舌苔白膩、脉滑など
三子養親湯の方解
三子養親湯は、もともとは老人の気実痰盛の証に設定されたものである。老人になると往々にして中虚になって運化失常する。そのため、停食生湿、湿聚するため痰壅気滞になる。さらには肺失粛降にもなる。
故に、咳嗽喘逆、痰多胸悶、食少脘痞などの症状が出ることになる。
これに対する治療は、順気降逆、消食化痰となる。
三子養親湯の方解
- 白芥子
温肺利気、快膈消痰 - 紫蘇子
降気行痰、止咳平喘 - 莱菔子
消食導滞、行気祛痰
これらの三薬は均しくよく行気するもので、どれも痰を治すための理気の常用薬となる。これらを合して用いることによって気順痰消、食積得化、咳喘得平という作用となる。
臨床においては、何の証か、何による痰が多いかを診ながらどの生薬を君薬にしたら良いかを決めていくと良い。
三子養親湯は、総じて沈降行気消痰の剤に属し、その方解の意は標治にある。よって、三子養親湯によって効果があれば、さらにその本を治すような方剤にしていくと良い。
参考資料
この記事を書いた人
瀬戸郁保
IKUYASU SETO
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。
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