『針灸経穴辞典』

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『針灸経穴辞典』

『針灸経穴辞典』のレビュー

編: 山西医学院・天津医学院
訳: 浅川要・生田智恵子・木田洋・横山瑞生
図: 王建華・何自強
出版社: 東洋学術出版社
価格 7000円(本体価格)
お薦め度 ☆☆☆☆☆
言うまでもなく経穴(ツボ)は鍼灸の要。正確に素早く主穴する必要がある。本書は経穴名の由来や出典など、幅広い知識が網羅されているまさに辞典と呼ぶにふさわしい充実した内容である。

東洋医学、特に鍼灸の分野においてツボ・経穴というものは欠かすことができない存在である。どうして身体にそんなツボというものがあるのか、そもそも不思議ではあるけれど、それを古来より上手く利用して人々は養生をし、病気を治し、今日にも脈々と受け継がれて我々の存在も成り立つわけです。
本書は身体にある経穴をまとめた一冊。山西医学院の『十四経穴図解』、天津中医学院編『腧穴学』を訳出し、翻訳したもの。扱っている経穴は、361穴に、経外奇穴と呼ばれる61穴を併せた422穴。日本で出版されている本は滑伯人の『十四経発揮』というものを基礎にしたものが多く、経外奇穴はあまり省みられない傾向があるので、本書はより広範に経穴を採用しているので貴重ではないかと思います。

次に本書の内容でありますが、第1章に「経穴学概論」があり、その中で「経穴の概念と形成過程」という歴史から始まり、「経穴の定位法(骨度法)」という主穴の法則、そして「要穴の概念と意義」の中では、五行穴、十二原穴、十五絡脉といった経穴の中でも重要な位置を占めているツボの主治や活用法をまとめおり、それだけでも相当な誌面を割いています。
そして続く第2章以下は、十二正経と任脉と督脉を併せた十四経のツボと、経外奇穴が記されています。

他の経穴の本にない特長としては、各ツボの解説に「穴名の由来」、「出典」、「別名」といった古典の内容が記されているところではないでしょうか。こういった記述は、実際の古典に接したときに有り難い情報源となりますし、「経穴の由来」の中には、意外な経穴使用のヒントが隠されていたりもしますので、臨床上もとても大切な知識ではないかと思います。また、臨床で大切になるのは主穴ですが、本書ではまず「位置」の項に経穴(つぼ)の位置が記されていて、さらに「解剖」の項には詳細な解剖学的位置がありますので、併せて理解しておくと正確な取穴に役立ちます。そして「作用」、「主治」ではツボの性格を知り、「配穴」では他のツボとの併用の例が記されています。

辞典というと普段は使わずに困ったときに調べるものというイメージがありますが、本書は常にそばに置いて読むことができる本ではないかと思います。経絡や経穴をブラッシュアップしたいときには、各経絡に沿って一つ一つ確認していくことになるかと思いますが、そういった通読にもおすすめできる一冊です。学び初めの初心者から、ベテランの先生まで活用は様々ではないかと思います。山下詢先生の『カラーアトラス取穴法』という本で直感的に取穴部位を学び、さらにこの『針灸経穴辞典』で深く掘り下げるという方法もおすすめです。

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