東洋医学・中医学・薬膳・鍼灸関連の本 (C)東洋医学・鍼灸・漢方辞典dictionary oriental medicine

『お手軽気血ごはん』 瀬戸佳子著

お手軽気血ごはん

  • 著者 瀬戸佳子
  • 出版社 文化出版局
  • おすすめ度 ☆☆☆☆☆

ここ数年増えている気血の両方が不足する気血両虚について解説し、さらにその改善を薬膳の立場からアドバイス。タイトル通りに、お手軽にできる内容が有り難い一冊です。簡単に使えるお取寄せの食品も具体的に紹介されており、さらにそれを使ったレシピも多数紹介されている。

気血両虚のための薬膳本

 中医学では、気と血の両方が不足している状態のことを気血両虚といいます。

 気は体を動かすエネルギー。つまり動力です。
 血は身体と心に栄養を運ぶ器。西洋医学でいう血液とほぼ同義です。

 血液は物質なので、それだけでは動くことができません。
 そこに気という動力が加わることによって体の隅々にまで運ばれていきます。

 つまり、この気と血はいつも一緒にいます。そしてその両者が供になって体にさまざまな栄養や酸素などを運んでいきます。また、運ぶだけではなく、受け渡した先で老廃物を回収もしていきます。

 故に、この二つが不足してしまうとたいへんなことになります。

 気血の両方が不足するなんて、そんなことあるの?そんな人いるの?
 と、思われるかもしれませんが、これが今増えているのです。

 特に女性は生理がありますので、もともと貧血になりやすいところがあります。閉経しても、なかなかその状況から脱することができないままという方も多くあります。

 そこで、気血の両方が不足する気血両虚を改善するための智恵が必要不可欠となります。
 中医学・東洋医学の気血両虚をキーワードに、体質を改善していく知恵を身につけるのが本書の役目であります。

お手軽にできるということ

 東洋医学・中医学の薬膳本は巷にたくさん溢れています。

 しかしそれらの本の多くは、実践するのには難しすぎませんか?

 なかなか手に入らない漢方の生薬が使われていたり、時間がないとできないようなレシピだったりと、たしかにこれらを作って食べることができたら健康になるのだろうけれど、でも、それを実践できなければ意味がありません。いつかやろう、いつかやってみたいと思っているものは、ほとんど実行できないもの。せっかく志高く本も買ったのに実行できないと、まじめな人ほどストレスを抱え込むことに。これでは意味がありません。

 ならば、やれることをやろう。
 すべて自分で作らなくても、缶詰などをうまく取り入れて手軽にやればいい。
 やれることをやる、一日でも早くやっていたほうのがいいのだから。

 本書は“できることをやる”というスタンスですから、タイトル通りにお手軽です。
 日々の生活の指標として初めてみてはいかがでしょうか。

さらに詳しい内容はこちらから

その他の関連記事

その他の東洋医学・中医学用語

この記事を書いた人

源保堂鍼灸院・漢方薬店薬戸金堂 瀬戸郁保

瀬戸郁保
IKUYASU SETO

鍼灸師・登録販売者・国際中医師

古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。

Similar Posts

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です