方剤名方剤学用語(C)東洋医学・鍼灸・漢方辞典 oriental medicine acupuncture

麦門冬湯 ばくもんどうとう

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「麦門冬湯」とは?

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麦門冬湯の出典

『金匱要略』

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麦門冬湯の分類

  • 治燥剤
    • 軽宣潤燥
    • 滋陰潤燥 ← 麦門冬湯

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麦門冬湯の組成

  • 麦門冬(60g)
  • 半夏(9g)
  • 人参(6g)
  • 甘草(3g)
  • 粳米(6g)
  • 大棗(3枚)

※各生薬の用量は、『方剤学』(上海科学技術出版社)第45版による。

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麦門冬湯の効用

  • 滋養肺胃
  • 降逆和中

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麦門冬湯の主治

(1)肺陰不足

咳逆上気、喀痰不爽あるいは咳吐涎沫、口乾咽燥、手足心熱、舌紅少苔、脉虚作

(2)胃陰不足

気逆嘔吐、口渇咽乾、舌紅少苔、脉虚数

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麦門冬湯の組成・方解

麦門冬湯の証の解説

麦門冬湯が治す証は、肺胃陰虧、虚火上炎、気機逆上したものである。
『金匱要略』に、「火逆上気、咽喉不利、上逆下気、麦門冬湯主之」とある。
この場合の咽喉不利の原因は、①肺胃陰傷で濡潤できないもの、②虚火上炎、灼津碍気の2つがある。
そこで、治療は肺胃之陰を滋養することになる。陰津が充足されたら虚火は自ずと降りてくることになる。

方解

以上のことから・・・

麦門冬が重用されて君薬になる。
麦門冬の甘寒の性質で肺胃の陰を滋養して、かつ虚火を清ずる。

半夏は臣薬となる。
その意図は降逆化痰にある。半夏の性質は燥と言っても、大量の麦門冬が配伍されているので、燥性は減少されており、降逆の性質が残ることになる。そのため、半夏の肺胃虚逆の気を良く降ろす作用がはたらき、かつ、麦門冬を滋して、にさせないようにする。

人参は佐薬で、補益中気する。
麦門冬と配伍されて、補気生津の作用がある。

さらに粳米大棗甘草は補脾益胃なので、中気健運する。
これにより、津液は自ずとよく肺に上輸されることになり、胃はその養いを得て、肺はその潤を得ることができる。これはまた、「培土生金」の意味もある。

以上のことを概観してみると、6種類の生薬には主従の序列があることが分かる。それにより潤降あいよろしく肺胃を滋して、また逆気を降ろすことができる。

虚熱肺痿、咳唾涎沫に対しては正治の方となる。そして胃陰不足、気逆嘔吐に対しても妥当な剤となる。

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参考資料

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