山楂子 さんざし
山楂子とは?
この記事のポイント
山楂子には消食化積、活血散瘀の作用がある。肉食の消化を助ける作用があるので、神麴、麦芽とともに用いた焦三仙という処方がある。
山楂子の出典
『新修本草』
山楂子の性味・帰経
- 性味
酸・甘
微温 - 帰経
脾経
胃経
肝経
山楂子の分類
- 消食薬 ← 山楂子
山楂子の効能
- 消食化積
- 活血散瘀
山楂子の効能・作用
1.食滞不化、肉食不消、脘腹脹満、腹瘍泄瀉
山楂子の性味は酸にして甘、微温で不熱である。
その作用は助脾健胃で消化を促進する。そのため、油膩肉食の積滞の要薬になる。
『簡便方』には、食肉不消を治療するのに良いとあり、単用煎服のことが書かれている。
食滞不化には神麴、麦芽などと配伍されるとよく、それにより消食化積の力が増強される。
脘腹腸癰がみられる場合は、木香、枳殻などを加えて、行気導滞する。もし、傷食によって引き起こされた腹痛泄瀉であれば、焦山楂子10gを研末し、開水調服することで、消食止瀉のはたらきをする。
2.産後瘀血腹痛、悪露不尽、および疝気、偏墜脹痛などの証
山楂子はよく血分に入って活血散瘀消腫する。
活血散瘀には当帰、川芎、益母草を配伍する。
消腫には小茴香、橘核などを一緒に用いるようにする。
3.その他
臨床では生の山楂子を高血圧、心臓病、高脂血症の治療に用いたりする。
山楂子の用量用法
10~15g
参考資料
この記事を書いた人
瀬戸郁保
IKUYASU SETO
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。
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