防已 ぼうい
防已とは?
この記事のポイント
防已は去風湿熱に属する生薬である。風湿痹痛、水腫、腹水、脚気浮腫などに用いられる。
防已の出典
『神農本草経』
防已の性味・帰経
- 性味
甘・苦
寒 - 帰経
膀胱経
腎経
脾経
防已の分類
- 袪風湿薬 ← 防已
防已の効用
- 風濕
- 止痛
- 利水
防已の効能・作用
1.風湿痹痛
防已はよく袪風湿止痛することができる。
防已の性質は寒であることから、湿熱に使用するのがよい。
寒湿痹痛には温経止痛の肉桂や附子などと配伍される。
2.水腫、腹水、脚気浮腫
防已はよく利水し、下焦湿熱を清する。
常に利水消腫薬と配伍される。たとえば已椒藶黄丸があるが、これは防已と葶藶子、椒目、大黄とを配伍したものである。
もし虚証に属するならば益気健脾の品と配伍する。たとえば防己黄耆湯あるが、これは防已、黄耆、白朮、甘草で組成したものである。
防已には漢防已と木防已がある。
漢防已は防已科で多年生の木質藤本植物粉防已、浙江省、安徽省、江西省、湖北省などで取れる。
木防已は馬兜鈴科多年生植物広防已、広東省、広西省に多い。
防已の用量用法
5~10g
防已の使用上の注意
防已は苦寒が甚だしいので、大量に使用すると胃気を損傷してしまう。そこで、食慾不振や陰虚無湿熱には禁用となる。
参考資料
この記事を書いた人
瀬戸郁保
IKUYASU SETO
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
古医書に基づく鍼灸を追究しさらに漢方薬にも研究を拡げています。東洋医学の世界を多くの方に知っていただき世界の健康に貢献したいと思います。
東京の表参道で、東洋医学・中医学に基づいた源保堂鍼灸院・漢方薬店 薬戸金堂を営んでおります。
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