神 かみ
「神」とは?
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「神」の概念
東洋医学の古医書や中医学の本を読んでいると、「神」という言葉がたくさん出てきます。しかし、これはいわゆる日本語で言うところの、宗教的な意味での「神」ではありません。まずこの前提を理解しておかないと、「神」の意味を理解できないばかりか、大きく誤解をしてしまって、東洋医学や中医学を学べなくなることがあるので、改めて気をつけなければならない。
広義の意味では、人生生命活動が外側に表現しているもの、生理的、病理的な外への発露も含んでいます。
狭義の意味では、精神、思惟、意識といった精神の活動のことを言います。
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中医理論での「神」
中医学理論でいう「神」の定義は、以下の三つに分けることができます。
- 自然界の物質の変化、はたらきを指す。天地の変化や万物の生成は、神が現象として表現されたもので、天地の形を有し、しかるのち、神の変化を受けている。
- 人体生命の一切の活動を指す。中国医学では、人体は一つの陰陽の対立と統一の全体であると考えている。陰陽の気の運動変化とその動力が、生命の活動(運動と変化)そのものになる。よって、生命活動の本質、本身は「神」ということができる。逆にいえば、神が去れば気化は停止し、生命もそこで終わるということである。
- 人間の精神や意識、精神活動で最も高いものを思惟ともいう。意、思、志、思慮、智、感覚など、認識や思考を含めたものを「神」と呼ぶ。
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以上のように、古医書・中医学のテキストを読む場合は、「神」という一文字が出てきた場合は、それが何を意味しているのかを把握しておく必要がある。