古典古医書抜粋解説 (C)東洋医学・鍼灸・漢方辞典dictionary oriental medicine

得神者昌,失神者亡

得神者昌,失神者亡

 

得神者昌,失神者亡

- 『黄帝内経 素問・移精変気論』

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読み

神を得るものは昌(さか)え、神を失うものは亡くなるなり

解釈

神があるものは体も健康であり、神を失うものは健康を失い亡くなる

解説

この文章での「神」の定義

とは、狭義の意味では神気のことを指しますが、ここではより大まかに、広義の意味での“生命活動のエネルギー”、つまりは“生命力”と解釈しても良いのではないでしょうか。

もちろん、生命力は神気であったり、衛気営気であったりと、細かく分類することもできますが、この文章の意義をつかむには、広義の解釈で良いかと思います。

実際に神という言葉は、古医書では様々な意味で捉えられており、また、東洋医学・中医学の根底に流れる東洋哲学においても、神という言葉は様々な解釈をされている、意味深長なものであります。

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神と形の関係

東洋医学では、目に見えないようなはたらき、エネルギーのことを「神」と表現することがあり、そして肉体のような目に見える物質のことを「形」と呼びます。

この神と形とは、お互い依存関係にあり、お互いが揃ってこそ生命力を発揮できます。
形のある肉体は、神というエネルギーがあってこそ活動することができるのです。

神は身体を動かす動力ですから、神が少なくなると体の動きや臓腑の機能が鈍りますし、逆に神が充実していると身体もしっかり動くため、精力的に人生を楽しむことができます。

「得神者」は、精気が充足して神が旺盛でありますので、身体も元気です。
「失神者」は、精気が損じて神が虧損している状態でので、病気になりがちです。

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「神」を臨床に活かす

神を診るのは、望診です。

ぱっと人の顔を見て、「今日は元気がありそうだな」とか、「今日は暗い顔をしているな」というのは“神の状態”を見ていることに他なりません。

顔色や体の動きなど、患者さんが発している生命力の有り様を感じ取ること、それが望診で神を診ることの第一歩になります。

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参考記事

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