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  • 著者 梁 晨千鶴
  • 発行 メディカルユーコン
  • お薦め度 ☆☆☆☆☆
  • 東洋医学・鍼灸の一分野である食養生。各食材が持っている東洋医学的な分類をし、あわせて現代栄養学の知識も豊富な本。家庭でも使える本なので、一般の方にとってもとても参考になる本です。

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東洋医学には本草学というものがあります。この本草学は、漢方薬に使われるような薬草だけではなく、あらゆる自然界のものを分類した百科事典のようなもので、『神農本草経』、『本草綱目』などが有名です。特に東洋医学・鍼灸医療の面で見ますと、我々が普段の生活で口にする食べ物は、医食同源という言葉からも、とても大切であることが分かります。

この『東方栄養新書-体質別の食生活実践マニュアル』は、冒頭に東洋医学の概念を詳しく解説してあり、また、食事に関する注意点なども詳しく述べられています。

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各食材には、「体質・症状の相性」、「自然の属性」という東洋医学的な観点からの表が付いており、その食材が持っている性格が自分に合っているかどうかがすぐ分かります。本文の記述は、西洋医学的な知識・栄養学の記述の他に、東洋医学から見た食材の性格が併記されております。その他本文の記述には、「コラム」、「古典より」、「話題の栄養素」といったものもあり、参考になる豆知識を得ることができます。この本の記述の引用には、『本草綱目』の名前がありますので、古典的にも信頼のおける一書ではないかと思います。

『本草綱目』など、古典にある本草書は、まさしく百科事典のごとくたくさんのものを扱っていますが、現代のこの時代と比較しますと、バナナやトマトといったその後新しく移入された野菜や果物は含まれていません。そういったものも東洋医学的に見て考察したいものなのですが、いかんせん古典が書かれた時代にはなかったので、その記述を見つけることはできません。そういった意味では、この『東方栄養新書-体質別の食生活実践マニュアル』は、現在我々が手にできる一般的な食材のほとんどを網羅していますので、現代の本草書としてとても役に立つと思います。お値段も安いので、家庭に一冊おいておくことをお奨めいたします。

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