東洋医学・鍼灸・漢方・薬膳にまつわる言葉を解説しています。

『究極の身体(からだ)』 高岡英夫著 講談社

お薦めの本C)東洋医学・鍼灸・漢方辞典dictionary oriental medicine

  • 著者 高岡英夫
  • 発行 講談社
  • お薦め度 ☆☆☆☆
  • マイケル・ジョーダンをはじめ、各分野で活躍する名選手、名人と呼ばれる方の身体の動きは、身体が持っている可能性を十二分に引き出している結果です。「ゆる体操」の創始者がその動きの秘密に迫る一冊です。

 

「ゆる体操」というのをご存知でしょうか?

ゆる体操とは、身体全体の骨や筋肉をゆるゆるに緩めるゆる体操ですが、この体操を作り出したのが著者の高岡英夫さんです。ゆる体操そのもはとてもシンプルで、ただひたすらにゆるゆる~と身体を揺らすだけの運動です。しかしそのシンプルな体操の裏には、とても深い作者の考察と意図があります。

人間の身体の進化を辿ると、その行き着くところは、進化の過程で始めて脊椎というものを獲得した魚類にあると、作者は唱えます。例えばマグロがあの猛スピードで海の中を回遊することが出来るのも、そして危険を察知したときなど瞬時に方向転換できるのも、脊椎の柔軟性のよると著者は解説します。そしてそこに人間の身体を当てはめて運動全体を見つめ直すことによって、“究極の身体(からだ)”と呼ぶべきものが生まれてくる・・・。

東洋医学や鍼灸医学において、骨といったものはあまり重要視されていないように思います。
もちろん骨は腎に配当されており、先天の気に通じるものとして登場してきますが、西洋医学の解剖学の図のようなものはあまり重要視してなかったように思います。

このような東洋医学の視点だけで勉強を進めますと、身体の構造を骨から観るということに疎くなってしまうことがあります。その弱いところを埋めるためにも、こういった身体の構造を理解することは大切になると思います。

この本では、実際のアスリートを例に挙げて解説していますので、とても馴染み深く読むことが出来ます。“究極の身体”の持ち主である一流のアスリートの動きを理解することは、身体の構造を理解するだけではなく、普段の生活環境のアドバイスなどにも有効なものが多いと思います。著者が創設したゆる体操も、身体に負担がかからない優しい運動ですので、お年寄りや身体の弱い方にもお勧めできる体操ですので、その理解のためにも本書は良書だと思います。