生薬中薬学用語(C)東洋医学・鍼灸・漢方辞典dictionary oriental medicine

麦門冬 ばくもんどう

| |

「麦門冬」とは?

[quads id=1]

麦門冬の出典

『神農本草経』

麦門冬の別名

麦冬、寸冬

麦門冬の分類

  • 補虚薬
    • 補気薬
    • 補陽薬
    • 補血薬
    • 補陰薬 ← 麦門冬

麦門冬の性味・帰経

性味: 甘・微苦 / 微寒

帰経: 肺経・心経・胃経

麦門冬の効能・主治

  • 潤肺養陰
  • 益胃生津
  • 清心除煩

[quads id=8]

麦門冬の応用

1.燥咳痰粘、労嗽喀血

麦門冬は、肺陰を養い、肺燥を潤す生薬として常用される。故に、肺陰不足にして燥熱を有するような証に適用される。
例えば清燥救肺湯は、麦門冬桑葉杏仁阿膠生石膏などの生薬を配伍して、温燥傷肺、乾咳気逆、咽乾鼻燥などの証を治療する。
二冬膏は、麦門冬天門冬を等分して蜂蜜を加えて収膏したもので、肺陰虧損、労熱喀血、および燥咳痰粘の証を治す。

2.胃陰不足、舌乾口渇

麦門冬は、よく益胃生津する。
多くの場合、沙参生地黄玉竹などと一緒に用いられ、養陰生津、止渇して胃陰不足の証を治す。

3.心煩失眠

麦門冬には清心除煩、安神の効能がある。
生地黄竹葉心黄連などと配伍されて、温病の邪熱入営にして身熱が夜に甚だしくなり、煩躁不安するものを治す清営湯に用いられる。
麦門冬酸棗仁生地黄などが配伍されると、陰虚有熱、心煩失眠を治すことができ、方剤では天王補心丹などがある。

4.その他

麦門冬は、腸燥便秘に用いられることがある。
それは、麦門冬には潤腸通便の効果があり、増液湯のように、麦門冬生地黄玄参を一緒に用いることで、陰虚腸燥、大便秘結を治す。

[quads id=8]

麦門冬の用量用法

10~15g
肺胃の陰を清養する場合は、芯を取り去るものを用いることが多い。
滋陰清心には、芯が連なったものを用いることが多い。

[quads id=1]

注意事項

感冒風寒、あるいは痰飲湿濁の咳嗽、および脾胃虚寒による泄瀉には麦門冬を用いてはならない。

参考資料

[quads id=5]

ご注意

本サイトは、東洋医学・中医学・鍼灸などを学ぶ人が、その学習の助けになるようにと制作しています。
本サイトの内容は細心の注意を払って、正しい内容を書くように努めておりますが、本サイトは一般の方向けたものではありませんので、この情報を元に自己判断・自己診断して処方をしたりしないで下さい。
また、この情報を元に安易に他人にアドバイスをしたり、シェアするようなことはなさらないようにしてください。

症状がある場合は自己判断せずに、適切な医療機関の受診を行ってください。

Similar Posts

4 Comments

瞿麦とは|漢方・鍼灸・薬膳を学ぶための東洋医学用語辞典 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です